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『おかしいのかしら』
その【声】が頭から離れなくて、もうそんな親の【声】を聞きたくなくて、僕は常に親に会わないような生活を送った
ちゃんと毎日学校には通ってはいたが、家ではほとんどが部屋に閉じこもっていた
しかし両親は、心配して扉越しから声を かけることも、ノックすら一度もしてきやしなかった
学校では、何とか【声】を気にしないようにして過ごした
友達とも、今までと変わらないように接して、会話とは裏腹に、【声】のせいで分かってしまう本心も、僕は知らないふりをした
だけどある時
大の親友を遊びに誘ったときに
「…いいよ!」
と笑顔での言葉は裏腹に
『嫌だなぁ…断ろうかな…』
という【声】を聞いた
その時を境に、僕は誰とも関わりをもつ事をやめた
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