ケチャップ

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    「ユウくん、おいしかった?」   "レイコサン"はにこにこしながら聞く。ぼくはおいしそうに笑う。1日3回、おきまりの会話だ。 ふつうこんなにオムライスを食べたらもう見るのも嫌になるはずなのに、"レイコサン"のオムライスはいくらでも食べられた。   ここに来てしばらく経つけれど、"レイコサン"についてぼくは何も知らない。ただ、"レイコサン"ということしかわからない。 カラスより黒いかみのけと、雪より白いからだ。ぼくはオムライスを食べるけど、"レイコサン"は見てるだけ。少食らしかった。
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