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天使は最も軽い衣を纏い、最も疾い羽を持ち、最も安らかな笑顔を最も美しい紅色の陶器の頬に湛えていた。
誰もがみな天使を愛していたし、天使自身も愛されてる自覚はちゃあんとあった。
でも、気付いてしまった。幸せが何なのか、自分は幸せなのか、という"疑問の存在"に。
こわくなった。満たされてるはずだった。
1ヵ月悩んだが不安は消えない。
半年経つ頃にはもっと不安になってしまった。
1年後、2年後、どんどん膨れた不安に、天使はもう到底耐えられそうになかった。天使は、雲の端から身を投げてしまった。
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