エデンいらずの聖書

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  頭ががんがんと痛むのを我慢できず、天使はそっと薄目を開いた。 太陽が、見たことがないくらい遠い場所でまるで人事のように光っていた。 自分の体を見回すと、数多の衝撃に皮膚は頑丈になり、背中の羽があった場所は骨が盛り上がっていた。 声を出してみると、風の強さに喉がやられたのか、もう昔のようには歌えない、と思った。   .
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