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もう到底許せそうになかった。
だから私はアキを蹴っ飛ばした。
アキは心外だというような顔で、こっちを見ている。
むかつく。熱い塊が胃に立ち込める。気持ち悪い、腹が立つ。頭がいたい。
目の前でアキも苦しそう。さっき蹴ったとこが赤くなってる。ああ腹が立つ。
今度はアキを殴った。この媚びるような顔が私を逆なでする。消えればいい、消えてしまえばいいのに。
頭がいたくて、目がチカチカしてきた。アキの頬は腫れ上がり、鼻が紫色になっていた。
それでもアキは私を見る。垂れる鼻血もそのままに、目を離そうとしない。
その反抗的な態度がまた、私は気に食わない。
だから近くにあった時計で頭を思いきりかち割った。アキの周りに沢山の緋色が飛び散る。
私の額に何かがどんどん伝っていって、頭が痛くて、むかつく。気持ち悪い。アキは驚いて頭を押さえてる。私の手がぬるりとしたものに触れた。気持ち悪い、痛い、許せそうにない。
痛い。
end.
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