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ちょっぴり下品な音を立てて、きつねいろの丘にまっかな落書きをする。
"レイコサン"はオムライスを作るのがとっても上手だった。ケチャップごはん(チキンライスと呼ぶのは、嫌いだ)はベタベタしていないし、卵はいつも絶妙な火加減でふわふわとろとろの半熟にしてくれた。
でも、ぼくはつぶつぶしてるケチャップはあんまり好きじゃない。ママだったら間違えたりしないのに。
オムライスは今日もやっぱりおいしいけれど、舌の上をつぶつぶが通るとき、ぼくはママに会いたくなる。
前に"レイコサン"にそう言ったら(そのときは帰りたいと言ったのだけれど)、ひどくこわい顔をしてぼくの肩をゆさぶった。どうして?ねぇ、どうしてそんなこと言うの??それから"レイコサン"は泣きわめいた。ぼくは大人は泣いたりしないものだと思っていたから、どうしたらいいかわからなくなってしまった。
だから、ぼくはママに会いたいだなんて言わない。"レイコサン"が泣くのは嫌だもの。
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