仮想現実(改)

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    頭が体の三倍はあるであろう小学生が、右に、左に、上手くバランスをとりながら参考書を読んでいる。 さらに頭が膨らもうとした瞬間、ぱあんと音を立てて弾け飛んでしまった。 そこに残ったものは、ばらばらに散らばった公式集。     親指が異常に発達した女子高生の群が、骨と皮ばかりとなった老人たちを踏み付けながら横切っていく。 一歩踏み出すごとに、ぱきん、ぽきん、ぱきん!     毎日掃除してもこのザマだよと、窓ガラス拭きの青年が愚痴をこぼす。 所詮ぴかぴかになったところで、映す世界が汚れてしまっているのだけれど。     頭が二つあるイグアナが庭先で昼寝中。 通りかかった婦人、これを見て 「まぁ、大変!頭が一つ減っているワ!!」
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