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【憂鬱】
俺はA組の教室へ向かったが…誰も居なくて、翌日の朝になった。
A組の教室の入口に来ると、奥に綾が居た。綾は数人の女友達と喋っていた。
「なぁ!綾を呼んでくれないか!」
俺は近くの生徒に頼んで待った。その生徒に言われ、綾は俺を見つけると、パッと笑顔になり、小走りで俺の前に来た。
「岳羽くん!!おはょ!!で…私に何の用ですかね!!」
綾はニコニコ笑っている。綾の後ろで、先程の綾の友達がニヤニヤとこちらを見ている。
「その…落し物なんだけど…このクラスじゃないかな。コレ、綾も写ってるし…」
「えっ!!それ…レナのじゃん!!」
「レナ?…って、誰よ?」
「私の友達だよ!!うん…渡しといてあげる。そんで…あとは?」
「へ?…なんだ綾?」
「用事って、これだけ?」
「そうだけど…え!?」
綾はつまらなそうな顔を見せる。今思うと、俺が綾の教室に来るのは初めてかもしれない。
「んーん!なんでもない!じゃ!!」
綾はまた小走りで友達の所へ戻って行った。
教室に戻り、自らの机に戻る。前の席の健治はまだ立ち直ってなく、朝から机に倒れるように寝ている振りをしていた。
しかし健治は立ち直りが早いので、ほっといていた方が…その内回復するだろう。
レナ…か…
でもまったく関係ない人かも…
でもあの壁の向こうの女の子には…会ってみたい。
ただ、楽しかったから…
自分でもよくわからない
ピアノを弾いていた時、俺は嬉しかったんだ…
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