夏の俺

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【日陰】 今日は夏休みが終わり、始業式 しかしまだ夏の気候が僕達を悩ますのだ。 俺は黄沢(オウサワ)高校2年B組21番の岳羽凱(タケバカイ) 皆からは〝たけ!!〟とか〝カイ〟と呼ばれてる。 高校生となって一年と数ヶ月…変わりのない日常の毎日を送っていた俺である。 俺の席は窓側の一番後ろなわけで、あまり目立つ所でなく平和に過ごしていた。 自慢ではないが、異性に好かれる傾向があるようだ。よく女の子が話そうと誘ってくれるのだが、いつも会話が一方通行で相手が機嫌を悪くしてしまう。今さっきも飽きられていた。 「カイ!!お前ダメだなぁ…せっかくの機会を無駄にしてぇ!!」 前の席から僕を笑う人間 こいつは千葉健治(チバケンジ) 健治は中学からの…一応友達 普段はこいつが話しかけてくれる。お陰で暇を潰すことができる。 「うるせぇよ…お前が話せばいいじゃねぇか」 「んなこと言われてもなぁ…カイが羨ましいっつーの!!女に言い寄られて」 健治は彼女ができたり、フられたり、フられたり…フられたり…と変な人間である。今は彼女が居ないらしい まぁ俺はこいつと居ると正直楽しいからな… 俺は女の子と話すのが慣れてない…というか話そうとしないからである。 俺は本気で人を愛したことがない。好きになったことがない。 俺は恋を知らなかった。  
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