4人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
【日陰】
今日は夏休みが終わり、始業式
しかしまだ夏の気候が僕達を悩ますのだ。
俺は黄沢(オウサワ)高校2年B組21番の岳羽凱(タケバカイ)
皆からは〝たけ!!〟とか〝カイ〟と呼ばれてる。
高校生となって一年と数ヶ月…変わりのない日常の毎日を送っていた俺である。
俺の席は窓側の一番後ろなわけで、あまり目立つ所でなく平和に過ごしていた。
自慢ではないが、異性に好かれる傾向があるようだ。よく女の子が話そうと誘ってくれるのだが、いつも会話が一方通行で相手が機嫌を悪くしてしまう。今さっきも飽きられていた。
「カイ!!お前ダメだなぁ…せっかくの機会を無駄にしてぇ!!」
前の席から僕を笑う人間
こいつは千葉健治(チバケンジ)
健治は中学からの…一応友達
普段はこいつが話しかけてくれる。お陰で暇を潰すことができる。
「うるせぇよ…お前が話せばいいじゃねぇか」
「んなこと言われてもなぁ…カイが羨ましいっつーの!!女に言い寄られて」
健治は彼女ができたり、フられたり、フられたり…フられたり…と変な人間である。今は彼女が居ないらしい
まぁ俺はこいつと居ると正直楽しいからな…
俺は女の子と話すのが慣れてない…というか話そうとしないからである。
俺は本気で人を愛したことがない。好きになったことがない。
俺は恋を知らなかった。
最初のコメントを投稿しよう!