夏の俺

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【甘党】 夏休みが終わって一週間 今、健治と美々と3人で喫茶店に来ている。 そういえば美々については紹介がまだだったな… 俺と健治は中学からの腐れ縁なのは知っての通りだが、もう一人の腐れ仲間が居る。それが美々だ。 同じく2年B組、名は朝倉美々 「ドンマイだなぁ~健治!!」 喫茶店での話の6割は健治の失恋話である。 健治はブツブツと独り言を発している。美々はいつものように健治を馬鹿にする。 喫茶店とは、街中にひっそりとある店…〝喫茶、花音〟 花音には中学からの常連である。俺ら3人は花音の店主である菊地さんとも親しい仲である。 「おい!お前ら!何か欲しいか?」 茶色いバンダナとエプロンを身に着けた、人が良さそうな男が奥から出て来た。 この優しそうな人が菊地さん 「お父さん!!じゃあカフェオレ頂戴!!」 美々はいつもカフェオレを頼む…そして異常に砂糖を使う。それと〝お父さん〟ってのは菊地さんの愛称である。なぜだか誕生日の順に…菊地さん(お父さん)健治(長男)美々(長女)と、美々と健治が面白がって名付けた。俺は…従兄弟らしい 今更だが、健治は阿呆だ… すると、美々は天然だ… そして俺は無能だ… 俺は今のこのひと時が大好きだ。 これからも皆で馬鹿やってたいと思ってる。 でも何か足りない気がする。 来週から九月… 俺の夏に終わりが訪れようとしている。  
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