053 放課後の憂鬱

5/9
前へ
/235ページ
次へ
(どこのどいつか知らないが、用件だけ言ってこっちの質問には一切答えないたぁーどーいうことだ? しかも、人が一休みついてた時にメール寄越すし… 大っ体、いつきの携帯使って連絡してくるなんて、なんで自分の使わないんだよっ ん?てか俺も、こんなに気になって苛々して、……結局部屋まで来るだなんて、なんて友達思いなんだろうか) 軽く自画自賛しながら気持ちを落ち着かせて、目の前の扉を睨む。 こうやってこの扉の前に立つのは二回目だ。 あの時は、久しぶりの──最悪の再会を果たした時で。 今俺を悩ませている全てが、この部屋の中につまってる。 ──ピンポーン 最初にインターホンを一回鳴らすと、腹いせに京哉は連続で押し続ける。 ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン…‥ 「開いてるよっ」 が、連続ピンポンなんか聞こえないかのように、平然と開いたドア。 ……と、高めの声。 驚いて開いた扉を見れば、首を傾けた姿勢の……制服を見れば二年生。つまり、同い年。 「お前か?メール寄越したのは」 顔をひきつらせて京哉はそいつに問い掛けた。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3557人が本棚に入れています
本棚に追加