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「朗の呼びかけで、俺らは互いに胸の内を明かした。
そしたらやっぱり、体なんかじゃなくて、シノを精神的に支えなくちゃいけないって結論に至って…
だから、俺達はそれからも部屋に通うことは止めなかったけど、シノの話をたくさん聞いた。」
加藤はそう言うと、今度は俺を見る。
つまりは、ヤッたりなんかしてないということを言いたいのだろうか。
「まっ、そしたらいっちゃん、誰彼構わず連れ込むようになって、そういう意味では、悪化しちゃったのかもしれないけど……」
「でも、シノが篠田を好きで、
でも、篠田が保坂を好きだってことが、二年に上がってやっと三人揃って突き止めれた。」
「いっちゃん、中々そういう話をしてくれないからね」
二年に上がってから…か。
俺が達也を必死に繋ぎ止めようとして、達也に気持ちを打ち明けている時に、
いつきもまた、やっと、こいつらに打ち明けたのか。
「俺らは恨んだよ、あんたを」
ついには俺のことを、"あんた"と呼ぶ加藤。
初めから気付いてはいたが、加藤は俺が嫌いらしい。
「俊、ちょっと目恐いから。
まっ、とにかく調べたら篠田様は保坂様追い掛けてるしね。
俺らは確かに恨んだ」
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