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「いっちゃんの想いと比例するように、篠田様は保坂様と親密になっていってた。
俺らは、それでもいつかいっちゃんが想いを吹っ切れる日が来ると思って、
やけになってたいっちゃんの傍に居た。」
「そんでこないだ、いきなり。
……いきなり、シノが言ってきた。
あんたとのこと。あんたとまた、話せるようになったこと。
今までの礼とか、謝罪とか。」
加藤は寂しそうにそう語ったが、反対に宮田は少し目をキラキラさせて、口を開く。
「俺らは、心から喜んだ!
夢みたいだったしね、
あんだけ保坂様に夢中だった篠田様が、いっちゃんと付き合い始めただなんてっ!
本当に心配していた分、
本当に好きだった分、
少なくとも俺は、いっちゃんが幸せになれるなら、すごく嬉しいっ!」
「だから祝うのさ…」
宮田の言葉続いて、加藤でない声が響く。
「新、買ってきたのっ!?」
半ば興奮気味の宮田は、急にした阿賀野の声に振り向くと、駆け寄った。
阿賀野の後ろには、困った顔をしたいつきが立っている。
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