055 戸惑い

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「京、なんか…こいつらに巻き込んでごめんな…」 「いや…いい。」 阿賀野、宮田、加藤。 こいつらは、いつきが本当に好きで、大切らしい。 そのことを実感した夜だった。 あの後、買ってきたジュースやらお菓子やらを並べて、すっかりパーティーモードの宮田が、その場を仕切った。 「二人がいつまでも、幸せでありますよーにっ!」 そう言いながら促された乾杯。 渋々といったように、俺らもグラスを持って行き、重ねた。 ──恐らく俺一人、罪悪感に似た気持ちを抱えたまま。 いつきとの関係は結局、形ばかりの恋人ってやつだ。 俺の中では、達也を想っていた時期があまりにも長かったし、 いつきと、一番の仲のあう親友、幼なじみであった時期なんかは、もっと長かったし。 そう簡単に、いつきをそういう意味で好きになんて、どうしてもなれないのが現実。 達也を見れば、愛しさが込み上がった。 めちゃくちゃにしてやりたくなったことだってあるし、 抱きしめて、痕をつけてやりたかった。 でも……いつきは? ドキドキしたりはする。 それに、さりげない動作に惹かれているのも確か。
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