057 臆病者

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~京哉視点~ 「東雲、ここでいーか?」 「あーえっと…‥あ、はい。そこにパイプ椅子2×10で」 「篠田ー、ちょっとこっちー」 「はいはい…」 体育祭前日が来た。 体育委員担当の俺は、体育委員でもないのに、いつきと一緒に現場の指示に追われてる。 『あれ?初体験は?』 なんて思ったそこの読者! タイトル見て予想はついたかもしれないけど、残念ながらまだ処女喪失までは至ってない。 自分でもびっくりするくらいに受けってのが恐くて仕方がない。 だから、いつきにその場は何とかして丁重に延期を頼んだ。 大体っ、 『付き合う=即、ヤる』 っていう考えはおかしいし、 『俺が受け』 っていうのも納得がいかない。 ・‥……とはいえ、体の繋がりが欲しいのもまた事実。 じゃあ覚悟キメろってみんな言うかもしれないけど、ヤるのとヤられるのとは訳が違う。 いつきとの体の相性なんて、考えたことなかった。 だから、正直ほんとに、受けは嫌だ。 かといって、じゃあいつきが受けとか想像できないけど…… 明日は体育祭。 なのに悶々と、こんなことを考える俺。
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