061 最後の1ピース

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広報部部長の座に対して、意欲的だと感じていた京哉にとって、それはとにかく驚きの告白だった。 それに、なにより、…‥ 「友田を……‥好き…?」 無意識にそう呟くと、先輩はやっと無感情に見つめていた天井から視線を移して、京哉と目を合わせた。 呆気ない、ごくごく単純明快な理由に京哉の顔は、間抜けな顔。 それと同時に、無理矢理という方法をとった先輩の思考回路が理解できない。 本当に先輩は自分本位だ。 「‥……あれから礼とは話をしなかったから、この騒動のお陰で、随分久しぶりにしっかりと姿を見れた。 そこに感謝して、篠田君には俺のしたことを今話した。 礼が来たら言っといて。よろしく。」 そう言うと、立ち上がった先輩。 「まっ、待ってくださいっ!」 慌てて声をかけると、先輩は扉に向かおうとして背を向けていた体を、京哉の方に向いた。 「好きなら、伝えれば良かったじゃないですか。 あんなことしなくても、いいじゃないですか!」 これだけは言いたくて、しっかり先輩の目を見ながら言えば、先輩はため息をついた。 「君は分かってないね。」 そう言うと、先輩は京哉の傍まで歩いて来る。 何をするのか分からないのもあって、思わず身を小さくよじる。 「いい?俺が人を好きになるってことはね、」 京哉の顎を右手で押し上げながらそう言うと、次の瞬間、先輩の唇が京哉のそれと重なる。 二、三回ただ押し付けるようにキスをすると、今度は無理矢理口を開けさせ、舌を入れて深くなる口づけ。 「……っ……んッ………!!!!」 拒もうと顔を左右に振れば、先輩は乱暴に京哉の頭を後ろの壁に打ち付けるように押しつけ、尚もキスを続ける。 あまりの強引な行為に、京哉の頭は正常に動かない。 縛り付けられているこの状況が、更に事態を悪くしている。 「……わかった? 俺さ、自覚があるくらい自己中なんだ。 欲望のままに生きる。 これが合ってるかなー。 だから、絶対に手に入れられないものには容赦なく暴力を奮っちゃうだろうし、 下手したら、軟禁状態にするかも。 礼は唯一心を一度でも許せた友人だ。 礼の為なんだよ、すべては。 彼をそこまで追い詰める気は更々ないからね。 俺にもそれくらいの良心はある。」
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