062 絆?

8/10
前へ
/235ページ
次へ
「何でもいいだろ、        それより──」 「何でもいいだって!??」 『気に食わない』と顔に書いたような表情で、詰め寄る秋に、いつきは思わず数歩下がる。 と、普段では有り得ない、秋のマシンガントークが炸裂した。 「いいっ!!?まぁ、何となく想像してた通りの展開になってるから、友田の言ったことくらい、何となくわかるけどっ!、 そんな表情してるあたり、どうせ、いきなり会った奴の言うこと、全部信じて、ぐるぐる考えてるんでしょ!!! 違う!??」 「……えっ、…ってか、…‥」 「そーなんでしょっ!?? まったく。 こっち来て正解だった。 で、、友田は何て言って、何処に行ったの!!?」 「きょ、京が、…なんか、俺の──つまり、前に遊んでた奴らを、なんか、ボコってたとか。 ……で、そんな周りに迷惑かけるような、付きあいなら別れろって…」 「はっ、どっちが周りに迷惑かけてんだか。」 秋の気迫に圧されて、たどたどしく答えたいつきに対して、容赦なく悪態つく秋。 (い、一条ってこんな奴だったっけ……?) 「で、?」 「…で??」 「で、まさか、東雲はそれを信じて落ち込んでたりでもしたわけ?」 「……っ、」 「そんなこと、京ちゃんがするわけないでしょお!!!」 沈黙の肯定を示すいつきに、バカバカ馬鹿っ!と言いながら軽く本気でパカパカ殴る秋。 「いきなり言いたいことだけ言って、どっか行っちゃう奴なんかの言うこと、何で信用しちゃうかなぁ……」 「だって、京なら…」 「京ちゃんならぁ、やりかねないなんて思ってたのぉ!!?」 「だって……」 「だっても何もないっ! いい? 京ちゃんはアイツに閉じ込められてて、今、紗矢が捜してる! で、そのリンチみたいのは実際あったけど、それもアイツの指示っ。 まさか東雲が、そんなに騙されやすいだなんて思ってなかったけど、一応優先してみて正解だった! 京ちゃんを一体何だと思ってるの!」
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3557人が本棚に入れています
本棚に追加