062 絆?

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そうだ。 あんなちょっとの囁きと、偽の情報で、俺と京が別れるだなんて思われてたなら、それは俺たちに対しての侮辱のようなもの。 何が原因で事態が起こっているのか、正直わからないが、 ガツンと友田 礼には言ってやらなきゃならない。 『俺たちを嘗めるな』と。 (まぁ、実際……秋が居なかったら1人で、ブルーになっていただろうが。) それに、ワケも知りたい。 が、しかし、… 京がやったとかやってないとか、それ以前の問題として、 確かに自分の中に、未だ、京への罪悪感に似た気持ちが存在することを、再確認してしまった。 なんだか、複雑な気持ちである。 「いい─?京ちゃんについては、紗矢を信じて欲しい。 今は、何よりも友田っ! 友田をとっつかまえて、こうなったワケを聞いてやるんだからっ!」 どうやら自分同様、事態を把握できていないらしい秋は、苛々していた。 てっきり、ワケを知っているのかと思って、色々問いただそうとしたいつきは、開き掛けた口を閉じた。 秋は、どんどん校舎へと歩みを進める。 いつきも、引きずられるようにして校舎の中へと足を運んだ。 「なぁ、」 「何ぃ?」 「何処にいるか、見当ついてるのか?」 「いやっ、"勘"で動いてるだけだけどぉ?」 (……勘??) 明らかに失望した顔をしたいつきに、秋はキッと睨みをきかせた。 「その"勘"のお陰で、変な勘違い起こさずに済んだのは、どこの誰だったっけぇ?!え?」 「──ごめんごめんっ。」 ───ガタンッ! 話が一段落すると、丁度、秋は物音を耳にした。 いつきは気づかないようだが、確かに廊下に小さく響いた物音。 秋は、すぐ近くにあった扉を開く。 すると、────       「……見つけた。」 扉には『職員室』の文字。 教師の机が並ぶ中、捜していた友田の姿は、その一番奥のデスクにあった。
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