063 真実

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~いつき視点~ 「………見つけた。」 職員室のドアを開けてそう言ったのは、隣にいた一条。 あまりに簡単に見つかるから、何だか拍子抜けした。 友田はちょうど、職員室の奥にいて、何か書類の山らしきところで、探していたらしく、一条のたてた扉の音に驚いて、こっちを見ている。 「なんだ、……一条か。」 俺の姿は見えなかったらしい。 そう言って、目の前の書類の山を、また、一枚一枚ペラペラと捲って、確認していく友田。 どこか、その表情は真剣で、 きっと、今の友田にとって、俺らが来たことなんか、その確認作業に比べればどうでもいいことなのだろう。 必死に、ページをめくる。 ──が、もちろん、一条はそれを許すはずがなく…… 「なにその態度っ!!!!」 ムキーっと、そう言うと、職員室を突っ切って友田のもとに向かう一条。 「おいっ、」 慌てて追いかけようと職員室に入れば、それとほぼ同時にいきなり立ち止まる一条。 「あ、……」 「どーしたんだ?」 慌てるようにズボンのポケットに手を突っ込む一条。 でてきたのは、バイブしている携帯。 「紗矢からだっ!」 そう言うと、急いで携帯に出る。 三谷からの連絡は内心嬉しかったが、友田が気になってふと見れば、まだ熱心にページをめくっていた。 「もしもし?」 『もしもし、秋?』 「京ちゃんは?」 『あぁ、無事だ。』 「よかった、…東雲、京ちゃん無事だってよぉ!」 笑顔でこっちにそう言うが、それと同時に、向こうの友田もその言葉に反応した。 眉間に皺を寄せて、舌打ちしたのが見える。 ぶつぶつと言っているが、何を言っているのかわからない。 『え、東雲といるのか?』 「うん、」 『なんでっ……まぁいいや。とにかく、俺たち今、寮の玄関んとこにいるんだけど、… 友田の居場所知らね?』 「知ってるもなにも、今目の前にいるよ」 『えっ?』 「これから、色々と聞いてやるとこだから。」 『場所は?』 「職員室。」 『今から行く』───── どうやら、今から二人してここに来るらしいな... 京が気になるのは確かだが、なにより今の会話で思い出した。 一条の言うには、京はアイツに閉じ込められたとかだったな… そんなの、許せない。 ──何より、説明が欲しい。 .
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