063 真実

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それは一条も同じのようだが、極めて冷静に口を開く。 「京ちゃんは、一体、       ……何をしたの?」 それを言えば、途端に唇を震わせて黙る友田。 手元に持っていた、さっきの書類を無言でビリビリと破りだし、ゴミ箱に勢いよく捨てた。 「ちょ、……それ…、、」 ───ガラガラッ 「秋っ!!」 「──紗矢??」 ちょうどのタイミングというか、なんというか…… 勢いよく開いた扉から、息を切らしている三谷と、少し遅れて京が入ってきた。 「京っっ!!!!!!」 無事そうだがどこか疲れた顔つきの京。 俺は京のもとに走った。 「大丈夫か?」 「あ、あぁ……それより、──」 「お前っ、 足怪我してるじゃないかっ!」 「大したことない、」 「誰にっ、」 「……いつき、今はとにかく友田に話がある。 だから、ちょっと待って──」 真剣な顔でそう言われてしまうと、これ以上何もできない。 静かに頷けば、京は友田の方に歩きだした。 一条も三谷も、黙ったまま京を見ている。 「友田、」 京がそう言うと、友田はどこか諦めた顔で、京を見る。 京や俺が無駄に大きいだけなんだが、友田は京より頭半分小さい分、少し見上げる格好になった。 (一条と三谷も友田とさほど変わらない身長だ) 「有能な仲間が沢山いるんだな、お前は。 簡単に出てきやがって……」 ため息と共にそう言う友田。 「あの事件の書類を処分しにきたのか?」 静かに問う京。 一条の話によれば、京は友田に閉じ込められたりと色々なことをされた筈なのに、そこに、怒りのようなものは見えない。 友田もそこが若干引っかかるようで片眉をあげて、怪訝な顔をした。 「…そうだけど? お前のせいで、嘘の記述が俺のデータに刻まれたからね。 そんなもの、放って置くわけないでしょ、」 「それは、  …嘘の記述なんかじゃない。」 「よくもぬけぬけと。」 「本当だよ、兼田先輩が俺に話してくれた。」 『兼田先輩』のフレーズに、反応する友田。 京は友田の右肩に手を置いた。 「すべては、     兼田先輩のしたこと。」 一言京がそう言うと、友田は弱々しく首を振った。 「違う・・・違う・・、」 (一体っ、?───) 「一体、昔何があったのさぁっ」 俺の心の声を代弁するかのようにそう聞いたのは一条。 「京ちゃんが悪いとか、何かやったとか…… 兼田先輩が本当はやったとか、……何を、したわけ? 友田は、『何』をされたのっ?」
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