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「秋、大体はわかってるんだろ?」
「でも、僕が知りたいのは、……」
───ドンッ!!!
秋がそこまで言うと、友田が近くの机に拳を振り落とした。
「篠田、お前、どこまで俺を辱めれば気が済むんだ、」
今までにない低い声でそう言う友田。
どうやら、本気で怒っているようだ。
いきなりのことに、一同の動きが止まる。
「だから、俺はっ、……」
続けて弁解しようとする京の腕を払って、友田は握りしめた拳を見た。
「俺は、お前にあんな屈辱的な行為をされた。それだけでも、十分な犯罪なのに、──許せないのにっ、
今度は広報部に俺を馬鹿にするお披露目会か?ぁあ゙??
ふざけんなっ、
ふざけんなよ…
これ以上、誰にあんなこと話すつもりなんだ……、
………俺は、俺、 は、
ただ、ただ普通に……」
最後の方には何を言っているのかさえ、わからない。
友田の両目は赤くなり、下を向いていてわからないが、きっと、泣いているのだろう。
震える肩を、京が優しくさすった。
払う気力もないのか、されるがままの友田。
(そんなに、知られたくない『屈辱的』なことって……)
───なんだ??
「友田、今から話すのは真実だ。
それを信じるか信じないかは、お前に任せる。
・・
今回のことも、俺はもう、お前を恨んだりはしてない。
あれは、兼田先輩がやったんだ。
先輩には、特に口止めされたわけじゃないし…、
──ここまで俺に被害を被らせたんだ。ただじゃあ、気が済まない。」
友田に語るようにそう言う京の目には、確かに怒りが見えた。
友田も気が落ち着いたようで、崩れるように床に座り込んだ。
やっと真実が聞けるとみて、一条も開きかけたままだった口を閉じた。
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