063 真実

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「秋、大体はわかってるんだろ?」 「でも、僕が知りたいのは、……」 ───ドンッ!!! 秋がそこまで言うと、友田が近くの机に拳を振り落とした。 「篠田、お前、どこまで俺を辱めれば気が済むんだ、」 今までにない低い声でそう言う友田。 どうやら、本気で怒っているようだ。 いきなりのことに、一同の動きが止まる。 「だから、俺はっ、……」 続けて弁解しようとする京の腕を払って、友田は握りしめた拳を見た。 「俺は、お前にあんな屈辱的な行為をされた。それだけでも、十分な犯罪なのに、──許せないのにっ、 今度は広報部に俺を馬鹿にするお披露目会か?ぁあ゙?? ふざけんなっ、 ふざけんなよ…   これ以上、誰にあんなこと話すつもりなんだ……、 ………俺は、俺、 は、      ただ、ただ普通に……」 最後の方には何を言っているのかさえ、わからない。 友田の両目は赤くなり、下を向いていてわからないが、きっと、泣いているのだろう。 震える肩を、京が優しくさすった。 払う気力もないのか、されるがままの友田。 (そんなに、知られたくない『屈辱的』なことって……) ───なんだ?? 「友田、今から話すのは真実だ。 それを信じるか信じないかは、お前に任せる。             ・・ 今回のことも、俺はもう、お前を恨んだりはしてない。 あれは、兼田先輩がやったんだ。 先輩には、特に口止めされたわけじゃないし…、 ──ここまで俺に被害を被らせたんだ。ただじゃあ、気が済まない。」 友田に語るようにそう言う京の目には、確かに怒りが見えた。 友田も気が落ち着いたようで、崩れるように床に座り込んだ。 やっと真実が聞けるとみて、一条も開きかけたままだった口を閉じた。
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