063 真実

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「秋、体育祭はどうなってるんだ?」 「あ、……生徒会長にぃ、無事に終われるよう、しっかり頼んどいたよぉ?」 「俺が抜けた時には、もう、リレーも終わって、後は閉会式だけだったし……、今頃片付け──とかか?」 秋に続いて、そう話すいつき。 はぁ、……一悶着あったが、なんとか無事に終わりそうか。 ほんとにとんだ道草だ。 どうにか自分たちで解決しといてほしいが、暫くはまた、友田をマークしとかないとな。 いや、それプラス兼田先輩も。 そう思っているうちに、ようやくグラウンドに着く。 どうやら、閉会式も終わったようで、それぞれがバラバラに、片付けを始めている。 グラウンドの入り口付近に立ち、状況を把握しようとしていると、まあまあ距離のあるはずの生徒会テントから、会長さんが駆けだしてくるが見えた。 追い掛けるように慌てて走る達也の姿も見える。 「はぁ、はぁっ、──篠田先輩!!」 息を切らしたまま、軽く目を潤ませて俺と目を合わせる会長さん。 「無事だったんですねっ、……よ、よかった…‥」 会長さんは両手を膝について、息を整えると、俺が口を開くのに被せるようにして、そう喋り出した。 と、同時に達也も丁度、会長の後ろに立つ。 「ほんと、色々とすまなかった……」 そう言って頭を下げれば、達也が俺の後頭部に手を置き、軽く押さえてくる。 「ホントだよ、全くっ。 クラス一の駿足の京哉がいなかったせいで、俺は2周走ったし、結果は3位だ。」 「うっ、………」 やっぱり達也怒ってる…… 「おい、しょうがないだろう。 京は寧ろ被害者だ、その手をどけろっ、保坂達也、」 そう言って、いつきが達也の手を払った。 軽くなった後頭部。 顔を上げてみれば、いつきと達也がお互い目を合わせたまま静止していた。 「被害者?」 「後は、こいつらに聞けよ、 京は怪我してんだ。 俺と先に帰らせてもらう。」 こいつら、と言われた秋と紗矢は顔を歪める。 俺は俺で、急に帰ると言われてすぐさま反論した。 「……はぁ?俺は、さっきまで居なかった分、ちゃんと片付けを「京、」 「──?」 「十分、京は働いてただろ、『広報部部長』として。」 「───っ、」 急に真面目な顔してそう言われると、心拍数が急激に上がるのが自分でもわかる。 あぁ、きっと今の俺、柄にもなく伸びた面してるんだろうな…‥
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