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「京、部屋行こう?」
みんな行ってしまうと、部屋に戻るしかない。
俺が途中から居なくなっていたことに気づいていた人も、何人か居たらしく、途中、ひそひそと話す安堵の声が聞こえた。
「あんだけ放送かけときゃ、そりゃあ、気づくわな、」
いつきはそう言って、苦笑する。
ようやく部屋につくと、すぐさま風呂に入った。
勿論、部屋は俺の部屋。
「とりあえず、京、先に入ってよ
疲れてるんだから、一番風呂ね」
と、
半ば強引に順番を決められ、俺が最初に入るハメに。
──……‥
ところどころ、掠り傷があるせいか、お湯や泡がしみた。
どうにか全身洗い終えて、痛みに顔を歪めながらお湯につかれば、一気に疲れがドッとくる。
ぐっと伸びをすると、体の力を抜いて、ぶらぶらと手足を泳がせた。
(なんか、長い1日だったなぁ…
生まれて初めて、拘束されたよ)
そう考えたら、何だか笑えてきた。
けど友田の問題は、何も解決しちゃいない。
ようやく、本当のことがわかっただけ。
俺は、友田を自分の地位の為に陥れたと思われてたし、
それを広報部の奴らに知らしめる為に、友田はワザと、俺を主犯に見せかけていつきの元セフレ達を、次々と広報部にわかるように襲っていった。
──でも実際は兼田先輩の仕業で、友田はそれを知って、何を思っただろう。
ブクブクとお湯に顔を半分沈めながら思考に浸っていると、段々意識が遠退いていく。
(眠いな……‥───)
(あ、……やば、い
……のぼせた…かも。)
頭の中では、そんなことを考えれても、体は相当、今回の非日常的な出来事に緊張状態にあったらしい。
一気にそれが、風呂で解けて、完全に疲労がまわってきた。
(あー、やべー……意識が‥)
指一本動かせず、そのまま京哉は意識をなくした。
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