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「まぁ、……京に笑われないように、鍛えてるしな。」
そう言っていつきは俺の隣に座る。
「笑うってなんだよ……
そんなに貧弱だったか?」
それに、人の身体見て笑うような酷い性格してないんだけど??
そう言うと、ビールを一口飲んだいつきが腹を抱えて笑い出す。
「いやっー、違う違うっ、
ほらー……、
ヤる時に、色々、な?」
茶目っ気たっぷりにそう言って俺と目を合わせるいつきに、案の定、俺の体温が上がる。
「これから食事って時に、……」
顔に集まった熱を吐き出すように、ため息をついて手元のビールを一気に少し多めに飲めば、いつきはまた笑い出した。
「可愛いなーまったく。」
「誰が、」
「京に決まってるじゃん」
「どこがだよ、」
「えー、普段はしっかりしてんのに、どこか抜けてたりするとことか…‥──」
「……」
そう言って、いつきが思う、俺の魅力ってやつを次々と語りはじめたいつき。
インスタントであろう、用意されたパスタを二人で食べながら、いつきの話を半分流して聞くが、どれも聞いてて恥ずかしい。
幼なじみやってただけあって、細かいところを覚えている。
逆に言えば、そんな時から、いつきが自分を想っていたのかと思うと、少し何だか申し訳ない気持ちが生まれて、話を止めたりはしなかった。
代わりに、久しぶりのビールをグビグビと飲む。
酒には強い方だが、追加で持ってきて、もう三本目だ。
ゆっくり食べているせいか、パスタがなかなか片付かない。
「……なによりさ、『一人の人に、純粋に一生懸命な姿』、とか?
そういうの、今なら冷静に……
ホントに可愛いと思える。」
恥ずかしいとか思いながらもモグモグと食べていたが、
その言葉に、思わずフォークが止まる。
そんな俺を見て、苦笑するいつき。
「いや、京が保坂のこと、あんなにも一生懸命になっててさ、あの時は、ホントにただムカつくというかなんていうか……
兎に角、どうしようもない気持ちだったけど。
今思えば、そんな京だからこそ、俺は好きになったんだろーな……とか思うわけ。」
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