064 暖熱の温度

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変な表現かもしれないが、喘ぎたいのに喘げない状況に、身体は興奮しきっていた。 このまま解されて、入れるのもいいけど……。 その前に、 『いつきのモノを      追いつめてやりたい』 上から圧倒的な力でキスをしてくるいつきに、応えるように激しく舌を合わせて、下からの快感に耐えていた京哉。 そう考えるや否や、ありったけの力を込めて、いつきごと横に転がり、今度は自らが上に覆い被さる形をとる。 いきなりのことに驚いて、いつきは、京哉の中を攻めていた指を、引っこ抜いてしまった。 そしてその指は、京哉の一番敏感なところを掠める。 「……ぁあっ、」 「っ、…京哉?」 最中の突然の行動に当たり前の反応だが、 慌ててそう尋ねるいつきに、深くリップ音をたててキスすると、京哉は欲情した目で彼を見た。 「中に入れるのは、俺がいつきのを拝んでから。ね?」 そう言うと、身体を密着させながら下へ向かって舌を這わせる京哉に、いつきは思わず身震いする。 「やばい、っ……半端ねエ…」 (やっぱり、京は違う──) ギンギンに赤黒く、天を向くその雄に、ごくりと喉を鳴らすと、京哉はそれをまず一嘗めした。 「くっ、……」 もう少しで京哉の中に入れる気満々だったいつきにとって、もうその行為は、自分の理性との戦い。 入れる前にイくなど、言語道断。 それでも容赦なく、京哉の愛撫が続く。 「いつきぃ……、こんなに感じちゃって、俺、壊れちゃうかもよ?こんなおっきいの……」 くわえ込んでそう語りかける京哉は、もう確信犯だろう。 普段とは違う口調に、思わずドキッとしてしまう。 いつきは、たまらず上半身だけ起き上がると、京哉の身体を引き寄せた。 正面から向き合う形になるわけだが、すかさず唇を合わす二人。 もう、互いに限界が近かった。 いつきは、散々京哉に攻められたし、 京哉は、いつきに中をかき回されてそのままなので、疼きが止まらない。
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