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言葉は要らない。
「……あっ、‥」
勢いよく京哉を押し倒すと、上に跨り、深くキスをする。
それに応える京哉は、右手でいつきの黒髪をかきむしるように押さえつけ、左手は快感に耐えるように、シーツを掴んだ。
ゆっくり、
ゆっくり、と焦らすようにまた指を入れ始めるいつきに、京哉は思わず、いつきの名を呼ぶ。
「もっ、いいから、っ、早く、」
「京が言ったんだろ?
『優しくしろ』ってさ、」
耳元でワザと低い声でそう言うと、再びゆっくりと、それでいてしっかりと高みへ追い詰めていくいつき。
「お願い、っだから、早く、」
「早く?」
「入れろよっ、早く、そこにっ」
余りに追い詰められたせいで、懇願するように叫んでしまった。
不思議と羞恥心はない。
いや、というか、…もう理性の欠片もなかったと言うべきか。
にやり、と笑ったいつきは、その言葉を待っていたようで、「了解っ、」と言うと、その今にもイきそうな雄を蕾の入り口にあてた。
「っ、──」
出来るだけ力を抜くため、息を吐く。
京哉の両手は、サイドのシーツをギュッと握りしめていた。
いつきはそれを見て、慎重に押し進めていく。
(可愛い……)
流石に少し痛いのだろう。
顔を歪める京哉を見て、酷く興奮するいつきがいた。
喘ぐ京哉も、
顔を歪める京哉も、
たまらなく愛しい。
──京哉は京哉で、その圧迫感に耐えるのがやっとだった。
(くっ──、やっぱ、デカい…)
さっき、いつきのをくわえて、『うげ、こんなにデカい。』と思ったのが正直なところ。
いつきを一度イかせておこう、という魂胆で、ワザと誘うような言葉をかけたつもりだったが……。
(──逆、効果?)
じわじわとゆっくり中に押し進んでくる、圧倒的な質量と熱をもったそれは、京哉の性感帯を掠めていく。
「ん、っあ……」
「京、大丈夫?」
「…ん、…全部、?」
「あぁ、全部入ったよ、
ほら、見てよ、
美味しそうに俺をくわえ込んでる。」
そう言って、ゆるゆると動き始めるいつき。
最初は若干の痛みだけだったその振動が、京哉に少しずつ快感を与え始める。
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