3555人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
「いつきっ、」
「ん?」
いつきの頭を引き寄せて、キスをする。
何度やっても、足りない。
「ねぇ、第二ラウンドはまだ?」
健全な高校男児。
こんなんだけじゃ、お互い、己の性欲は満たされない。
「………腰、大丈夫?」
それでも、自分の身体を案じてくれるいつきに、思わず笑みが零れる。
「俺を誰だと思ってんの、
今までの小動物と一緒にしないでよ、」
「小動物?」
そう聞いてから、意味を理解したのか笑い出すいつき。
「しょ、っ小動物。確かに。」
一向に笑うことを止めようとしないんで、ムードもへったくれもない。
京哉はいつきのモノを掴んだ。
「っ、 ──いきなりっ?」
「いつまでも笑ってると、ココ、俺が噛み千切るから気をつけろ?」
「ご、ごめんごめん!!!!」
慌てて必死に謝る様子は、なかなか面白いもので。
自然と自分も笑顔になる。
訪れた数秒の沈黙によって、引き戻された数分前までの雰囲気。
交わした視線は、深く絡み合った。
唇が重なるのも、
お互いの温度が上がるのも、自然な流れ。
「んっ、──…‥」
肌を撫で回して、全身で互いを感じる。
こうして二人の時間は過ぎていくのだろう。
これから先、いつまでも。
長い夜は、
始まったばかりなのだ。
長い幸せは、訪れたばかり。
京哉は、その事実にふと笑みを浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!