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───体育祭から数日後、
鷹岡学園高等部三年廊下には、無言で歩く礼の姿があった。
受験までのラストイベントだった体育祭が終わり、完全に勉強モードに切り替わったその廊下は、どこか静か。
けれど、その空気を押しのけるようにズンズンと歩いていくと、礼はある教室の扉を勢いよく開けた。
目当ての人間を見つけると、そのままの勢いで歩いていった。
迷惑そうな視線を送る者も居れば、好奇の視線を送る者も居る。
礼の目当ての彼、兼田は思わず舌打ちをしそうになった。
(来るだろうとは思ってたけれど…。)
───……‥
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