065 コトバ

2/12
3555人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
───体育祭から数日後、 鷹岡学園高等部三年廊下には、無言で歩く礼の姿があった。 受験までのラストイベントだった体育祭が終わり、完全に勉強モードに切り替わったその廊下は、どこか静か。 けれど、その空気を押しのけるようにズンズンと歩いていくと、礼はある教室の扉を勢いよく開けた。 目当ての人間を見つけると、そのままの勢いで歩いていった。 迷惑そうな視線を送る者も居れば、好奇の視線を送る者も居る。 礼の目当ての彼、兼田は思わず舌打ちをしそうになった。 (来るだろうとは思ってたけれど…。) ───……‥ .
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!