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「何だかんだで、積極的」
そう言って笑ういつきの表情は、とても嬉しそう。
その嬉しそうな顔を見ると、自分まで嬉しくなってくる。
「いつき、」
「ん?」
「……愛してる。」
不意に、言いたくなって口から出た言葉は、いつきの顔を更に綻ばせた。
「甘えモード?」
「そうか?」
「京可愛い。」
それだけ言うと、いつきは俺の唇に優しくキスをして、ゆっくりと舌を口内に忍び込ませる。
ゆっくり、ゆっくりと。
俺の身体に染み渡っていくいつきからの愛情。
幼い頃から、果たしてこうなることは決まっていたのだろうか?
そんなことを、──そんな下らない乙女チックな考えを巡らせていれば、いつきは俺の服を捲り上げて長い指を這わせてくる。
「っはぁ、……ん、」
漏れる吐息。
せわしなく動く互いの腕。
その全てが、二人を満たす。
あぁ、折角貰った達也お手製のケーキも、食べるのは明日になっちゃうかな。
そんなことを考えたのはほんの数秒のことで。
いつきから与えられる愛撫は、俺の五感と思考を支配する。
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