066 関係

11/11
3555人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
こうやって、いつきはどんどん俺の中に占める割合を増やしていく。 これがこの先、いつまで続いていくのかはわからない。 もしかしたら、また、あの時のように、いつきと俺はすれ違うのかもしれない。 けど、…‥そんな不安は今の自分にとって、あまりに現実味のナイ話で。 今、肌で感じるこの体温を、       俺は手放したくない。 「──っ、はぁっ、い、つき…」 「っ、なに?」 『愛してる』とでも口にしようとして、京哉は半開きで喘いでばかりいた自身の口に力を入れた。 が、いつきは聞き返すと同時に、その最奥を突き上げ、にやりと笑った。 「っぁぁああああ───!」 途端に果てた京哉を見て、いつきも京哉の中を自身から流れ出る液体で満たす。 互いに息を切らしながら見つめ合うと、互いのその妖艶さに思わず頬が赤く染まった。 「……何て奴だ、」 「なにが?」 「人が折角っ、」 「『愛してる』」 「……」 「『愛してる』って言いながらイって欲しかったからやったんだけどなぁ……」 「ばーか、そんな漫画みたいなイき方、出来るわけ──」 「じゃ、次はよろしく」 「え?──っあ、ちょ、、っ、ぁあっ、」 何度も、何度も、疲れ果てるまで求め合う。 そんなセックスが出来るのは、過去にも今にも、いつきだけ。 きっと未来も、いつきだけ。 いつきだけが、俺の恋人。 達也、 俺の中でお前はいつまでも一番だと思ってた。 だけど、大事な幼なじみがいつの間にか、唯一の恋人になってた。 沢山、迷惑かけてごめん。 だけど、達也が俺を切り捨てたことで、大事な絆を取り戻せた。 そして絆は更に昇華して、お前以上になったんだ。 ちょっと前まで信じられなかったことだけど、本当に、達也以上の人間が現れたんだ。 『東雲 いつき』。 ──俺の恋人。 彼が俺の中で、最高のパートナー。 【END】
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!