046 交差する想い

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「あぁ、そうさ…」 暫くの沈黙の後、いつきが呟くように言う。 「……え?」 思わず聞き返せば、いつきは更に抱きしめる力を強める。 「傷ついたね、京の言葉に。 それは確かに間違ってない。 けどね、傷つく以上に悔しかった! 京の心が、接点もなにもなかった保坂なんていう奴に獲られたことが。 悔しくて堪らなかったよ! 俺はずっと京と一緒に居て、京のことをずっと想ってたのに! だから、京が保坂を好きって知って、俺は笑顔で応援することなんかできるはずがなかった! あの時の俺は、感情に任せてひどいことを言った! 本当に傷ついたのは京だろう? けど、その結果京は保坂に付くようになった。 俺はてっきりうまくいったのかと思ってたよ。 なのに、一年ぶりに見た京の顔の覇気の無さ! 無理してんじゃねぇよ、京哉」 「えっ、それじゃあ…もしかして…」 「過去の弁解。 それと、告白しにきた」 顔が赤くなって動けなくなる。 いつきが俺を、好き? どんな冗談だ? 冗談にならねーよ… 「本当は一生言わないつもりだった…… けど、今の京の顔見たら居てもたってもいられない 無理して笑ったり、してんじゃねーよ」
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