047 心の支え

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~いつき視点~ 「けど、俺はお前の恋人に今すぐなろうとするつもりはない。 ただ、俺は本当は京が嫌いなわけじゃないんだ。 俺は保坂を好きになった京が、いや、保坂に負けた自分が嫌だったんだ。」 「いつき…」 そうだ。 俺が情けないばかりに、気持ちに余裕がないばかりに、俺は京を傷つけたんだ。 「今の京は、幸せか?」 「え?」 「京が幸せなら、心から今の環境に楽しめているなら、俺は何もしない。 けど、俺の思い違いじゃないなら、…京、俺と昔みたくつるまないか?」 俺は抱きしめる腕を緩めて、そう言う。 すると、振り返って俺を見る京。 その、大きく見開かれた京の目には、俺の姿が映る。 ──間違って、ないよな? 俺は確かに今も京が愛しい。 今すぐにでも、その唇を奪ってしまいたい。 けど、京はまだ、その瞳に保坂への想いを捨てきれてない。 『せめて、京との昔の関係を取り戻したい。』 それが俺の、今たった一つの強い想い。 その為なら、なんでもしよう。 俺は京以外要らない。 現に、俺はあれ以来、友達なんかよりセフレばかりをつくっていた。 京、……今度こそ。
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