047 心の支え

5/6
3555人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
「そ、うだな…問題なしだ」 なんか、全てが急すぎる。 絶交されて、 でも本当はそんな気だったわけじゃないって言われて。 再会して、 昔みたく仲良くやっていきたいって言われて。 あの時の一言は…… ……ほんとは俺への恋心から、ついカッとなって言ったことだって言われて…… ──こい、ごころ? 「……あ」 なんか、簡単にポロッと、あたかも「知ってて当たり前」みたいに言われたから、全然考えてなかった。 いつき、が、俺、を…… 「い、いつき?」 「ん?」 目の前の、 取り戻した"幼なじみ" は、俺らの関係をどうにか修復できそうなことに満足して、ルンルンしてる。 「あ、のさ……」 「うん」 「俺のこと、好きって言ったよな?……」 「あぁ。この思いは変わらなかった。ずーっと」 あまりにもケロッと言ってしまういつきに、思わずこっちが恥ずかしくなる。 「えと、俺は…」 いつきは戸惑う俺を見て、クスッと笑う。 「うん、まだ京の気は保坂にあるのはわかってる。 けどさ、俺は今度は逃げない。 全力で惚れさせてやる。 これは、 その為の、仲直りだ。」 そう言っていつきは、俺に短いキスをした。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!