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「そ、うだな…問題なしだ」
なんか、全てが急すぎる。
絶交されて、
でも本当はそんな気だったわけじゃないって言われて。
再会して、
昔みたく仲良くやっていきたいって言われて。
あの時の一言は……
……ほんとは俺への恋心から、ついカッとなって言ったことだって言われて……
──こい、ごころ?
「……あ」
なんか、簡単にポロッと、あたかも「知ってて当たり前」みたいに言われたから、全然考えてなかった。
いつき、が、俺、を……
「い、いつき?」
「ん?」
目の前の、
取り戻した"幼なじみ"
は、俺らの関係をどうにか修復できそうなことに満足して、ルンルンしてる。
「あ、のさ……」
「うん」
「俺のこと、好きって言ったよな?……」
「あぁ。この思いは変わらなかった。ずーっと」
あまりにもケロッと言ってしまういつきに、思わずこっちが恥ずかしくなる。
「えと、俺は…」
いつきは戸惑う俺を見て、クスッと笑う。
「うん、まだ京の気は保坂にあるのはわかってる。
けどさ、俺は今度は逃げない。
全力で惚れさせてやる。
これは、
その為の、仲直りだ。」
そう言っていつきは、俺に短いキスをした。
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