048 仮、恋人。

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~京哉視点~ 次の日、 一応、自分の口で会長に「大丈夫そうだ」っていうことを伝えようと思って、会長の部屋に向かえば、 今日が休日なのをいいことに、明らかに愛を確かめあった後のような、グッタリした会長と、満足気に微笑む達也に迎えられた。 細かい過去のことや、いつきの告白などまでは触れないようにしたけど、取りあえず、 「こないだ仕事を拒絶したことなんかは忘れてくれ」 と言えば、会長はニッコリ艶やかに笑った。 「なんか今日の会長、すっごく色っぽい…」 「あったり前だっ、俺の「わああぁあーなんでもないよ、なんでもないっ!」 「はぁ…わかってる」 本当に見ていて飽きない人だ。会長は。 達也とのそういう話になると、いつまで経っても、この姿勢は変わらない。 「じゃ、邪魔者は帰るね」 ヘラッと笑って立ち上がると、達也が同時に立った。 「そこまで送ったる」 大した距離じゃないけど、まだ、こうやって達也と歩くことに胸が高鳴る。 「じゃあな、体育祭まで頑張ろうな。お互い」 「あぁ、また」 「おぉ、」 短い会話。 その中にも、俺は小さな幸せを感じてしまう。
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