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達也の容姿に惹かれた。
達也の性格に惹かれた。
達也の行動力に惹かれた。
達也のあの、
真っすぐな瞳に……
「あっ!いいところに居た!
篠田!頼まれてた資料、仕上がった!」
ぼーっとそんなこと考えながら、部屋の近くを歩いていると、後ろから声がかけられる。
「三谷、か。
相変わらず早いなぁ…」
「ナメないでよ、これくらい」
──三谷 紗矢。ミタニ サヤ
こいつの名前。
同じ二年で、広報部員の中でも有能な部員。
その能力を買って、俺は三谷を副部長にしている。
身長は会長と同じくらい。
高すぎもせず、かといって、低いわけじゃない。
髪は適度な長さに伸びていて、いや、少し長めかな。
ワックスか何かで全体を後ろに流していて、前髪なんかはカチュウシャを使って、上手く後ろにもっていっている。
つい触れてしまいそうになる髪形だ。
肌はサッカーをやっているせいか、少し焼けている。
「でも、東雲なんて調べてどーするわけ?」
「ん、今度生徒会の仕事で、ね」
「ふーん。
ってか、見りゃあわかるけど、あいつ色々面倒」
「面倒?」
そう言いながら、大きめの茶封筒を京哉に渡す、紗矢。
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