俺の恋人。

048 仮、恋人。

｢最終確認がとれた昨日｣って、こないだ俺が居合わせちゃったやつだよな。

覚悟はしていたが、こんなにも手を出してるなんて……

三谷が仕上げたやつには、完全に俺の知らないいつきが居て。

一年の重みを感じる。

｢なんで、こんな……｣

いつきをここまで狂わせたのは何だろうか。

(知らない方が、よかったのかな……)

広報部は、実は裏で理事長が特に力を入れている部の一つで、学園内ではかなりの倍率でしか入れない、結構特別な部だ。

その理由は至って簡単。

私立学園の経営者は、学園内の状況なんかに敏感でなければ、下手したら学園の評判が落ちる。

だから、理事長なんかは広報部に力を入れて、しっかり学園内の人間関係や問題児なんかの管理を任せている。

故に、同性愛者がたくさん居ることなんかは、学園側も承知。

だけど、その分学力が優秀なために目をつむっているし、強姦なんかの事件も、男同士だから誤って子どもができるだとか、そんなこともない。

まあ、そんなこんなだから、結構情報が入るわけで、良くも悪くも学園内に知らないことは少ない。

自分で頼んでおきながら、情けない。
知りすぎて泣きそうになる。