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嵐のようにやってきて、嵐のように去った安藤。
そして、さりげなく、いつきに課題を作って去った金本。
安藤は安藤で馬鹿だけど。
金本は金本で、中々の策士かもしれない。
安藤をゲットしながら、いつきに半強制的に俺への説明を強いたのだから。
セフレがどうこう言いたい気持ちも確かにあるけど、
それ以上に、あのいつきが何でまたそんなことなんか…という気持ちの方が大きい。
ヘラヘラしてたいつきだったが、好きでもない相手と、次から次へと関係を持つような適当な男じゃなかった。
ちょっと前までは、
相手が『男』ということでの驚きの方が大きかったけど、
今はそれよりも、金本がいくら言っても止めなかった、ということにただただ、戸惑う気持ちがある。
俺から聞くのは、丁度、気兼ねしていたところだったから、一先ずここは金本に感謝しよう。
「行っちゃった、な」
「あぁ…」
なんとなく話が続かない。
「あ、のさ……」
そんな中、先に切り出したのはいつきの方。
「ん?」
「俺、すっかり忘れてたわ
丁度ヤッてる最中に、京が訪ねて来たってこと」
そこには、また、俺の知らない"いつき"が居た。
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