051 揺れる

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「あっ、でも…普段誰かと食べてんのか。んーどうかな」 「いやっ、大丈夫。」 「ほんとに?サンキュー」 達也と昼食を共にするなんて、高2になってから久しい。 つい、その嬉しい頼み事に大丈夫と言ってしまったが、それから気付く。 いつきと約束したんだった… それに、セフレがどーたらこーたらで、話があるんだったっけ… 「あのさ、達也」 「ん?」 「あ、いや…なんでもない」 いつきが居てもいいか? って聞こうと思ったけど。 それを言うと、 『じゃあ、東雲に悪いし、誰か捜すことにするよ』 とか言って、貴重な達也との昼食タイムが無しになりそうだ。 いつきとの話なら、放課後にでも、してくれればいいだろう。 食事を共にして、くだらない雑談をして… そんなことを想像するだけで気分が上がる気がした。 ──やっぱり。 俺はいくら振り払われようとも、達也が好きだ。 そう自分に言い聞かせて、達也の言葉を頭から追い出す。 『それって、そーいう風に意識してるってことじゃないの?』 達也を諦めようとする為にいつきと付き合ってるはずなのに、 いつきを好きになることに、なぜか臆病になってしまうのだ
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