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「あっ、でも…普段誰かと食べてんのか。んーどうかな」
「いやっ、大丈夫。」
「ほんとに?サンキュー」
達也と昼食を共にするなんて、高2になってから久しい。
つい、その嬉しい頼み事に大丈夫と言ってしまったが、それから気付く。
いつきと約束したんだった…
それに、セフレがどーたらこーたらで、話があるんだったっけ…
「あのさ、達也」
「ん?」
「あ、いや…なんでもない」
いつきが居てもいいか?
って聞こうと思ったけど。
それを言うと、
『じゃあ、東雲に悪いし、誰か捜すことにするよ』
とか言って、貴重な達也との昼食タイムが無しになりそうだ。
いつきとの話なら、放課後にでも、してくれればいいだろう。
食事を共にして、くだらない雑談をして…
そんなことを想像するだけで気分が上がる気がした。
──やっぱり。
俺はいくら振り払われようとも、達也が好きだ。
そう自分に言い聞かせて、達也の言葉を頭から追い出す。
『それって、そーいう風に意識してるってことじゃないの?』
達也を諦めようとする為にいつきと付き合ってるはずなのに、
いつきを好きになることに、なぜか臆病になってしまうのだ
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