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ちょっと前までは、胸が苦しくて堪らなかった、この座席も、この"友達"という関係も。
ふと気がつけば、息苦しさはなくなっていて…。
「きょ────う!」
思わず微笑んでいた俺に、いつ教室に入ってきたのか、いつきが抱き付いてきた。
達也を見て微笑んでいたのを見ていただろうか?
いきなりの登場に驚いたのは勿論だが、それよりも、見られていたのかが気になって仕方がない。
「京、何ぼーっとしてんの?
食堂行こ、食堂。」
当たり前のように俺の手を自然なそぶりで絡みとり、手をつなぐいつき。
「あ、のさ……」
「ん?」
「今日、達也も後で合流することになったんだけど……よかったか?」
「たつ…あ、保坂……
あいつが居たら、話せねえじゃねぇか。」
確かに達也が居たら、セフレ云々の話はできなくなる。
「今とかじゃ…無理?それに、達也はまだ来ないから」
「………わかった。」
渋々とそう言いながら歩き出したいつきの顔は、少し不機嫌気味で。
俺が達也を招き入れたのが、どう考えてもその原因で。
よくよく考えてみれば、ものすごいメンツの組み合わせのような気がする。
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