052 京哉と京

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「あれ、…そうなんだ。 じゃあ、俺の心配は意味なかったってことか?」 「……それがさ、あいつら…わけわかんないこと言い出してさ、‥」 不安そうな顔をしながらこちらを向くいつき。 丁度その時、俺達は食堂についた為、食券を買い込む。 俺が自分の為にランチセットを頼むと同時に、達也の分のラーメンの券を買っているのを横目に見たいつきが、そこで言葉をとめた。 「そんな食べるの?」 「あぁ…これ、達也の」 「……そっか。」 そっけなく答えるいつき。 やっぱり嫌なのだろうか。達也が 意外とすぐに出してくれた三つの食事を手に、テキトーな席に座る。 俺の隣にいつきが腰かけ、必然的に、達也のラーメンは俺の向かい側におかれる。 「で、わけわかんないことって何?」 取りあえず話を元に戻しながら箸を割ると、いつきは、手元の自分の昼食、カレーライスを食べ始めながら、一度ラーメンを睨んで口を開く。 「『いっちゃんの彼氏に会わせて』って言ってくるんだよ、三人揃って」 「‥…はっ?」 驚くポイントは多々ある。 が、何よりも『いっちゃん』というあだ名にびっくりだ。
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