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智は『シノ』と呼ぶし、あいつらは『いっちゃん』だと!!?
「あーえっと…‥勝手にそう呼んでくるんだよ、いっちゃん…なんてキャラじゃねぇのはわかってる」
驚いて固まる俺に、いつきがそう説明した。
なんて可愛いらしいあだ名だ。
……って、それよりも!
「俺に会いにくんのか?」
変なあだ名のことで、大切なことを忘れそうになった。
───俺に会うだと?
俺のことくらい、鷹岡学園の生徒なら誰だって知ってるだろ?
自分で言うのもなんだが、自分は広報部部長だし、生徒会№3。
それなりに知名度はあるはずだ。
──つまり、
「会う」=「会って話をする」
=…‥‥
あまり気がむかない話だな。
俺は、客観的に-いや、いつきを慕う側から見てみれば、ものすごく非難される立場にいる。
達也を忘れる為に、いつきの好意を利用し、対した愛情も向けないまま、いつきの『恋人』として居座っているのだから。
いつきはそれでいいと言う。
けれど、いつき側の外野からしてみれば、無理にでも止めさせるべき関係で。
それを言えずに流されて、いつの間にかいつきを好きになることさえ臆病になっている俺は、……最低だ。
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