052 京哉と京

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「俺はあいつらが何を言いたいのかわかんない。 大体、個別に知り合っていってきたはずなのに、どうしてあいつら三人が仲良く声そろえて、同じこというのか……わかんないことだらけだ」 そう言いながら水を飲んだいつきは、同じく水に手をのばす俺の手を片手で絡みとり、よくいう恋人つなぎをして顔を近づける。 それによって、俺達が食堂に入ってから始まっていたヒソヒソ声が更にどよめきを伴って増す。 顔が近い為に、必然的に絡み合う視線。 いきなり手を絡まれた俺はといえば、ただただされるがまま。 何をしたいのか、読めない… というか、改めて、この曖昧な関係について考えていた俺としては、不意打ちもいいとこだ。 「京はまだ、保坂が好きだろう? 俺はそれを忘れさせてやるって言って、京と付き合えるようになった。……まぁ、、ちょっと強引ってか変な関係だけどさ‥ 俺は支えてやるって言った。 俺は、これからもそのつもりだし、俺はなにより京をおとすって決めた。 けど、だからこそ、俺のやってきたことで京を困らせたくない。 だから、俺はあいつらが何か京にやるようだったら、どんな手を使ったって守る。」
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