052 京哉と京

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絶対に守ると言いながら、彼らの我が儘に付き合ってくれるのかを不安げに真剣に聞いてくるいつき。 そんな、ただ会うだけの、そんなことで真面目な顔しなくたっていいのに… てか、手を繋いで顔を近づける意味もわかんねぇ。 「…た、ただ会うだけだろ? それで、そいつらの気が済むならいいよ。ただ、いつきも一緒に。」 だって、そうするしかないだろう? わざわざ話つけろっていつきに言ったのは俺だし。 ってか、そもそも全ての繋がりを完全抹消させていつきを独占する環境を無意識的に作り上げている俺、はたからみれば、かなりいつきにゾッコンな恋人に見える。 …果たして自分はそうなのか? そんなことを悶々と考えながらそう言うと、いつきがこんな公共の場所であり、視線をひしひしと感じる環境でキスをしかけてきた。 軽く、チュッと音をたてて。 そのあまりに急な出来事に、頭がついていかず、体は素直に顔を赤く染め上げた。 いつきのキスはいつもそうだ。 不意にしてきて、柄にもなく簡単に赤くなる。 たまたまその行動を見ていた周りの生徒は皆、噂と化していた、信じたくない二人の関係を認めざるを得なくなり、騒ぎ出した。
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