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「えっ…
あの噂、マジだったの!!?」
「篠田様も、ついに彼氏できちゃったわけ!!?」
「ってかアレ、遊び人で有名な東雲じゃんか。」
「げっ、…ってか、あの二人だとどっちが受けなの?」
「どっちも似合わない…」
「うん、押し倒されてるとこなんて想像もつかない…」
そんな生々しい会話がなされる中、人混みを掻き分けてくる、一際目立つ茶髪頭の長身男。
──保坂 達也。
ようやくやることを終え、昼食にありつけると思って食堂に行けば、この騒ぎ。
しかも運がいいのか悪いのか、丁度彼らのキスシーンを目撃。
そしてしかも、その後、顔を赤めた京哉の表情までたまたま見てしまったのだ。
(あれが、俺までをも押し倒して襲ってきた、篠田京哉なのか!!?)
固まってしまった達也の姿にいち早く気付いたのは、キスを仕掛けたいつき。
京哉は下を向いているせいで達也の登場に気付いていない。
「……馬鹿、こんなとこで、なんてことしてくれるんだ」
小さく呟く京哉。
いつきは内心、やはり脈ありだと確信しながら小さく笑う。
「見せ付けてやりたくなって」
いつきの一言に、京哉が顔を上げてみれば。
そこには、達也の姿があった。
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