052 京哉と京

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やっぱり。 まだ京が保坂を好きであることは、確実だろう。 でも、その気持ちを忘れたいんだよな?京。 心の中で確認するように、自分で言い聞かせると、いつきはいきなり京哉を抱き寄せた。否、抱きしめた。 「保坂、」 「……っえ?」 突然のいつきの行動に、京哉はもちろん、呼ばれた達也も変な声をあげた。 「お前は京の気持ち、知ってるんだろう?」 「……ああ。」 真剣ないつきの口調に、達也も又、真剣に返した。 いつきの腕の中の京哉は、二人が何を話すのかがわからず、様子を見る。 京哉は亮太とかのように、決して小柄ではない。 故に、いくら長身のいつきが抱きしめたところで、大きい男同士が身を寄席あうなんとも言えない様なのだが。 美形が二人ということで、それはそれで、絵になる様。 「俺はこの学園に入るずっと前から、京を思ってきた。 今、俺たち二人は俗に言う、お前とあの一年の会長……高瀬だっけ? あいつとお前みたいな"恋人"って奴にはまだなれてないんだ、本当は。」 何を話すのかと思えばそんなことを言い出すいつき。 京哉はただ、黙ることしかできなかった。
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