053 放課後の憂鬱

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~京哉視点~ 達也といつきと昼食べてから、その後の午後の授業を終え、帰寮の準備を整えたと同時にいつきが教室に現れた。 ──ガラガラ 「京~、一緒に帰ろうぜ」 「あぁ、」 達也はといえば、会長さんが心配で仕方ないらしく、終業ベルが鳴ると同時に鞄を持って、飛ぶように帰っていった。 (会長さん、愛されてんな~) ………ずるい。 そんなことを考えてることは、流石にいつきにも見抜けないらしく、隣の空席を見て苦い顔をする京哉は、少し安心した。 (こんな小さなことでも、いちいち色々と言われたらたまったもんじゃない。) いつきなら 【俺が保坂以上に、 京を愛してるじゃんか】 なんて、言いかねない。 こんな教室の中で。 「行こっ」 「荷物、それで全部か?」 「ん、そーだけど?」 「相変わらず、めちゃくちゃ持って帰るんだな。京は。」 「そう? いつきが少な過ぎるんでしょ、ペシャンコじゃん。鞄」 「はははっ、そーかもね」 あぁ懐かしい、いつきと二人で歩く下校風景。 もう二度とないと思っていたけど。 人の考えって、いい意味にも悪い意味にも、裏切られるものだ。
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