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結局、そうやってタラタラと話しながら寮につけば、それぞれお互いの部屋に向かう。
「じゃっ」
「んーちょっと待って」
「ん?」
背を向けた俺をいつきは引き止めると、腕を掴んで軽いキスをしかけてくる。
──チュッ
「じゃっ、また明日」
「………馬鹿」
流石にそれくらいで、驚くこともなくなった。……というか、慣れてきた。
唐突にやってくるキスは、どれも『あっ』と思った時には唇は離れていて。
だからいつも何も出来ずに、なってしまう。
───ガチャッ
「はぁー…」
軽くため息をつきながら部屋に入れば、靴を脱ぎ、まずベッドに飛び込んだ。
放課後に疲れた体をベッドに沈める。
その行為がやっぱりとてつもなく気持ちいい。
(昼はとんでもないことされたなー)
なんて考えながらぼーっとしていると、何やら震動する音と感覚がする。
(携帯か……
人が気持ちよく寝てる最中に)
舌打ちしながら開いて見れば、《新着メール一件》の文字。
開いて見れば、そこには《東雲 いつき》の名前。
休憩を邪魔したいつきに軽く苛つきながら開けば、明らかに本人とは違う文体の短いメッセージ
《来て下さい。》
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