053 放課後の憂鬱

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いつきが俺に敬語でメールを打つだなんて、100%ない。 これは俺の勘であり、恐らく間違ってはいないのだろうが、いつきの携帯を誰かが勝手に弄ってるんだ。 【誰ですか?】 お返しにそう返信すれば、すぐに返事が返ってくる。 《部屋に来て下さい》 あれ…会話が成り立ってない。 部屋って…いつきの部屋? 【何で?】 いつきの携帯をかってに弄ってる時点で気にくわない。 こんどは敬語なんかやめて、理由を尋ねた。 いつきは、携帯を誰に渡したんだろうか。ムカついてくる。 ───数分後。 (あーっっ、ったく!) 心の中で舌打ちしながら、寮の廊下を明らかに不機嫌モード全開でドシドシと歩く銀髪の少年に、すれ違う誰もが振り返る。 「ちょ、今の篠田様だよな?」 「あ、あぁ…だよな?」 「なんか、めっちゃ不機嫌じゃね?」 「なんか広報部やらかしたんかなー…あ、それか生徒会?」 「案外あいつかもよ? あのー最近付き合いだしたとかいう…」 ──「「東雲?」」 そう。その通り。 何で?と返信してから数分の時が流れ、律義にもメールを待っていた京哉だったが、相手からは何も来ず。 現在苛々MAX。
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