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いつきが俺に敬語でメールを打つだなんて、100%ない。
これは俺の勘であり、恐らく間違ってはいないのだろうが、いつきの携帯を誰かが勝手に弄ってるんだ。
【誰ですか?】
お返しにそう返信すれば、すぐに返事が返ってくる。
《部屋に来て下さい》
あれ…会話が成り立ってない。
部屋って…いつきの部屋?
【何で?】
いつきの携帯をかってに弄ってる時点で気にくわない。
こんどは敬語なんかやめて、理由を尋ねた。
いつきは、携帯を誰に渡したんだろうか。ムカついてくる。
───数分後。
(あーっっ、ったく!)
心の中で舌打ちしながら、寮の廊下を明らかに不機嫌モード全開でドシドシと歩く銀髪の少年に、すれ違う誰もが振り返る。
「ちょ、今の篠田様だよな?」
「あ、あぁ…だよな?」
「なんか、めっちゃ不機嫌じゃね?」
「なんか広報部やらかしたんかなー…あ、それか生徒会?」
「案外あいつかもよ?
あのー最近付き合いだしたとかいう…」
──「「東雲?」」
そう。その通り。
何で?と返信してから数分の時が流れ、律義にもメールを待っていた京哉だったが、相手からは何も来ず。
現在苛々MAX。
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