あの頃の僕等は、それが世界の全てだとばかりに歌っていた

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オレの父と母はいつも仕事で家にはいなかった。 2歳年上の兄貴も何故だか家にいなかった。 オレの家族は皆、世間で言う美男美女家族だ。その家族の1人の兄貴は、その頃からドラマの子役の仕事をしていたらしい。 まだ5歳のオレとソラは、 「仕事をやるにはまだ早い」 と母に言われ爺ちゃん家に預けられた。 そのせいか、毎日爺ちゃんと一緒にいたオレとソラはかなりの爺ちゃんっ子になった。 だから、親が仕事から帰って来た時も、オレとソラは 「爺ちゃん、爺ちゃん」 と、そればかり言っていた。 それを聞いた父と母は呆れるばかりだった。
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