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鯉六運輸のトラックドライバーで前科一犯(痴漢)のある初老の男がいました。この男にはおぞましい趣味があったのです。
ある夜更け、林の中の夜道を山茄が運転しているときのこと。
「あー、ちくしょー。なんで俺はこんなくせぇトラック運転しなきゃあならんかな!
俺だって本気を出せば一流大学に入って銀行マンになって、毎日キャバクラ通いするなんてことも簡単だったんだがな!
俺が本気出さなかったから銀行マンになれたオタク野郎もいるだろうに、そいつはちっとも俺に恩を返しに来ねえ!
腹いせに今日の届け先の家の塀にションベンかけてやったがまだ腹の虫がおさまらねえ。今日も獲物さがすとするかなあ!」
男は不気味な笑みを浮かべながら車のライトが照らすコンクリートの道を眺めました。すると遠くに道を白い猫が、つー、と通っていくのが見えたのです。
「よっしゃああああ!!ぶち殺してやるぜええええ!!」
男はツバを飛ばしながらアクセルを踏みました。
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